近年注目されている言葉にサステナビリティがあります。サステナビリティとは持続可能性を指しており、現在だけでなく将来においても機能を失わずに続けていくことができるシステムやプロセスを意味しています。原点となっているのは水産業界であり、水産資源を減らさないように漁獲量を持続させる意味で使用されていました。ですが近年は水産業界に限らず、様々な企業で行われています。
最も行いやすいのは節水です。製造業では水を使用することが多いのですが、この水資源の確保を課題として取り組んでいる企業が増えています。ただ使用した水を排水するのではなく、適正に処理をして環境負荷低減に取り組み、次世代につなげているのが特徴です。また、近年では大雨に見舞われることが多いものの、渇水のリスクも常にあり、日常的に水を使い過ぎないように注意しなくてはなりません。手軽に行える方法として節水トイレの設置も行われており、雨水を処理して植物に施すなどの方法もあります。
家庭においてはお風呂の残り湯を利用する、シャワーを出しすぎない、節水タイプのシャワーヘッドに切り替える、水を出したまま歯磨きをしないなどの方法があり、洗濯機においても節水を意識したものが多いです。効率性においてはすぐに結果はでないものの、日々の積み重ねにより徐々に効果が上がっているのが現状です。ですが渇水リスクに関しては地域間に差が生じており、いくら日々注視し、実践していても地理的な条件や水利権などの歴史的な条件によって地域間があるのが現状です。このような地域間の格差をできるだけなくすように、河川法が改正され水融通の円滑化が規定されています。
節水は水を大切に使用するサステナビリティの意味合いの他に、利益を最大化する方法としての意味もあります。特に製造業においては、水使用に対しての経費削減が必要であり、水道代をできるだけ節約することが大切です。工場で水道代を削減するには、ただ水を大切にしようと訴えるのではなく、水道代を正確に把握し、現状はどのくらいであるのかを明確にすること、目標数値を設定すること、そしてその目標を持続させるためにどういった方法があるのかを検討することが必要になります。効率性を良くするには、意識だけでなく様々な面からのアプローチが必要となるので、地下水を利用する、工業用水をできるだけ有効活用する、機械そのものを省エネに適応しているものに変えるなどの方法も検討します。